今回のコラムは、セミナー参加者から寄せられたご質問にお答えします!
寄せられたのは、こんなご質問でした。
「相手の話に証拠や根拠がないと、どうしても共感することができません。相手の気持ちを受け止めたいとは思っているのですが、話に筋が通らないと共感できないのです。「相手の意見」には100%は同意しないけれども、心情だけでも受け止めてあげられるいい方法」はないでしょうか?」
皆さんはどのように考えますか?
実は、「共感する」ことは「同意する」こととイコールではありませんので、 相手の意見に100%同意できなくても、心情を受け止めることは可能なんです!!
共感する:「相手がどう感じているか」がわかったという
同意する:「私がどう感じているか(賛成/反対)」をいう
並べてみるとお分かりの通り、主語が違いますね。
共感と同意は、まるで別のことをテーマにしているとご理解いただけるかと 思います。
つまり、共感を示したいときに「自分がどう思い、何を感じているか」を言う必要はないのです。「あなたは、~ということがあって○○と感じたんだね」と伝えてあげるだけでいいのです。
ところで、ご質問者が気にされていた「証拠や根拠」とは、事実に基づく情報ですね。
実は、共感の言葉の構成要素には「相手の感情」のほかに、「事実」も必要なんです。
例えば「そうだったんだ」よりも、「あなたは、嬉しかったのですね」が、さらには「あなたは、部下が成長を遂げ周りから評価されたこと[事実]が、嬉しかったのですね」という方が、「分かってくれている感」は増していきますよね。
共感の目的は、「相手の立場に寄り添おうとする」ことで、相手が「この人だったらわかってくれる、信頼できる」と感じてくれることにあります。
その達成のプロセスは次の3ステップです。
1.相手が発する言葉や様子から、感情を聴きとる
2.相手が発する言葉や様子から、なぜそう感じるに至ったのか事実を聴きとる
3.感情と事実を併せて、フィードバックする(検証)
注意したいのは、「私にとって納得のいく事実」を聴きとるのではなく、「相手がある感情を持つにいたった事実」を聴きとることです。
「私にとって納得のいく事実」収集に走ってしまうと、行きつくゴールは「共感」ではなく「同意/不同意」の世界です。
いま何のためにコミュニケーションを図っているのか?
その点も見失わないようにしたいですね!